VJ作業のうち、自動化に向く部分・向かない部分
VJ作業は大きく分けて「事前準備」「現場での切替・調整」「即興表現」の3層があります。事前準備は素材選定・プリセット組み・配色決定など、現場での切替は曲やセクションごとの映像変更、即興表現はその場の空気に合わせた素材選びです。
このうち、現場での切替の多くは規則性に落とし込めるため、自動化と相性が良い領域です。逆に即興表現は人の判断が中核で、自動化の射程外です。事前準備は半自動化(テンプレート化)が現実的な範囲です。
autovjclub は「現場での切替」の自動化に特化しており、即興表現は専用VJソフトの領分として切り分けています。
autovjclub が自動化している処理
- マイク入力 → ACRCloud で曲認識
- 現場の音をマイクで拾い、ACRCloud API に問い合わせて曲を特定します。手動でトリガーする運用が基本ですが、Auto Identify を有効にすれば60秒間隔で自動実行されます。
- ジャンル判定 → プリセット切替
- 識別された曲のジャンル情報から、対応するプリセット(映像・色味・歌詞表示の有無など)に自動で切り替わります。
- LRCLIB から歌詞自動取得
- 識別された曲の歌詞を LRCLIB から取得し、9種の表示モードのいずれかで表示できます。表示そのもののオン/オフは設定可能です。
- LFO による時間方向の揺らぎ
- blur / hue / brightness / contrast を、設定した周期で自動的に変化させます。ピーク・ブレイクに自然と画面が動きます。
- マイク音量によるフィルター連動
- 会場の音量レベルに合わせてフィルター値が動きます。曲のドロップやブレイクに視覚的に反応します。
- 曲変更時の Now Playing 自動表示
- 新しい曲が認識されたタイミングで、Now Playing を一定秒数だけ表示します。情報の出し過ぎを避けるための間欠表示です。
自動化の射程外(人手 or ライブVJの領域)
- 「いま、この瞬間」の空気を読む判断
- 曲認識はジャンルまでは判定しますが、客の反応や場の空気は読めません。ピーク演出や、空気が落ちた時の次の一手はライブVJの仕事です。
- 即興のクリップミックス
- 事前にない映像を組み立てて即興で見せる表現は、Resolume / TouchDesigner などの専用環境の領域です。
- MIDI/OSC ハードとのフレーム同期
- 照明卓・DJミキサーとフレーム単位で同期する演出は対応していません。autovjclub の入力は音声のみです。
- 素材の独自演出設計
- プリセットの中身(どの映像をどう使うか)は事前に組まれているため、独自の演出設計を細かく作り込みたい場合は、専用ソフトでの作業が必要です。
よくある質問
曲認識が外れた時はどうなりますか?
識別失敗または ACRCloud 側で曲データが見つからない場合、現在のプリセットがそのまま継続します。手動で曲名を入力するか、再識別を実行できます。
手動介入はどこまで可能ですか?
自動切替を一時的にオフにして、ジャンル / プリセット / フィルター値を直接操作できます。再度自動に戻すこともワンタップです。
完全無人で何時間も動かせますか?
基本的にはブラウザを開いたままにしておけば動き続けます。常設運用の検討項目は Docs の「権利・運用メモ」にまとめています。