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VJ 入門機材ガイド

5 万円・15 万円・30 万円の 3 段階で構成する

VJ を始めようとすると「何を買えばいいのか」で必ず詰まります。結論を先に出すと、初期 5 万円〜から始められ、現場で安定運用したいなら 15 万円、プロ案件も受ける想定なら 30 万円、という 3 段階で考えるのが分かりやすい。この記事は具体機種と価格帯を並べます。

読了時間
約6分
目的
最小構成から段階的な機材構成を把握する
対象読者
これから VJ 機材を揃える方
前提知識
なし
VJ 入門機材ガイド

ミニマム構成(5 万円〜)

PC
既に持っているノート PC で可。ただし 2019 年以降の機種が望ましい。Apple Silicon Mac なら M1 以降、Windows なら GeForce MX 系以上の dGPU 搭載機。
ソフトウェア
Resolume Avenue の無期限試用版(ウォーターマーク付き)または Hydra(ブラウザ、無料)。まずは触感を確認する段階。
モニタ
店舗既設 or 家のテレビで HDMI 接続。新規購入なら 55 インチ 4K TV が 5〜7 万円で選択肢豊富。
マイク
PC 内蔵マイクで動作確認、USB コンデンサ(2,000〜5,000 円)に早めに切替。

安定運用構成(15 万円〜)

PC
Apple Silicon M1 Pro / M2 / M3 搭載 MacBook、または Intel NUC / Beelink / MINISFORUM 系の GeForce RTX 3060 以上搭載ミニ PC(3〜5 万円台から選択可)。バッテリー駆動ではなく AC 電源常時接続が前提。
ソフトウェア
Resolume Avenue €299 または MadMapper レンタル €39/月 を購入。ピクセルマッピングが要らない規模ならこの2つで十分。
MIDI コントローラー
Novation Launchpad Mini (€99) または Akai APC Mini (€89)。クリップ切替・Fader・XY パッドが使える。ブラウザ VJ なら WebMIDI で即接続。
HDMI 分配器
複数スクリーンに同じ映像を出したいとき。1 入力 2 出力の HDMI スプリッタ(4K 対応、5,000〜10,000 円)。ダイジー連結は信号劣化の元なのでスプリッタ 1 段で済ます。
マイク
AT2020USB+(1.5 万円)など USB コンデンサマイクをスピーカー近くに常設。曲認識精度がここで決まる。

プロ案件想定(30 万円〜)

PC
専用デスクトップ or 高性能ノート。GeForce RTX 4070 以上 or Apple M3 Max。長時間運用のため熱設計を重視。
ソフトウェア
Resolume Arena €799 買い切り。ピクセルマッピング・DMX・照明卓連携が必要なら必須。TouchDesigner Commercial を並行導入すると対応範囲が一気に広がる。
HDMI マトリクス
4K 60Hz 対応の 4x4 マトリクスが 5〜10 万円。複数ソース(VJ PC、DJ VTR、緊急バックアップ)を複数モニタに切り替える。Extron / Kramer / Lightware クラスが業務用標準。
DMX / Art-Net インターフェース
Enttec USB DMX Pro(€150)や Art-Net 対応ネットワークノードで照明卓と接続。Resolume Arena から DMX 信号を出せる。
NDI / Syphon 連携
ネットワーク越しの映像送受信で、DJ ブース / VJ ブース / FOH を分離運用できる。NDI は Windows 標準、Syphon(Mac)/ Spout(Win)は同 OS 内プロセス間。

よく聞かれる質問

「MacBook Air で足りますか?」——M1 Pro 以降なら足ります。初代 M1 無印と Intel Mac は、フルスクリーン + 4K 表示でフレームレートが不安定になる報告が多く、ぎりぎりの構成です。

「MIDI コンは最初から要りますか?」——ブラウザベースの自動 VJ(AUTOVJCLUB 等)ならスマホから操作できるので不要ですが、Resolume や TouchDesigner で手動ミックスするなら Launchpad クラスの 1 台は強く推奨します。指 2 本で触れる物理操作は、マウスだけとは別の運用品質になります。

「プロジェクターと LED、どっちがコスパ良いですか?」——設置面積と視距離によりますが、同じ予算(10〜30 万円)なら、中サイズ(〜2 m × 1 m)で LED、大サイズ(〜3 m 幅)で短焦点プロジェクター、という棲み分けが現実的です。別記事の「LED スクリーンと大型モニタ」で経済側を詳しく解説しています。